2015年1月28日水曜日

Android用のBLE MIDIライブラリのご紹介

去年から、Android端末上でBLE MIDI通信を使えるようにするライブラリを作っていました。(→前回の記事を参照)
AppleがBluetooth Low Energy MIDI Specification(PDF)を公開していたのを先日見つけたので、その仕様に合うよう実装してみました。

このライブラリを使って出来ること:
  • AndroidアプリとBLE MIDIなデバイスとが接続でき、演奏やイベントの記録などをすることができます。
  • iOSやOS X上で動くBLE MIDIなアプリとも接続できます。
  • Android LollipopかつPeripheral機能がサポートされている端末では、端末をBLE MIDIデバイスとして振る舞わせることができます。
注意:
このAppleの仕様は、まだMIDI公式から承認されていません。以前問い合わせをしたところ、「ドラフトの仕様はあるが絶賛議論中だよ。議論を見たかったら会員になってね」とのことでした。公式としてリリースされる仕様ではAppleのものとの食い違いが出てくるかもしれません。頑張って追従します。

ライブラリの機能

このライブラリを使うことで、AndroidはBLE MIDI CentralとPeripheralの機能を使えるようになります。

BLE MIDI Central機能とは

AndroidアプリがBLE MIDIデバイスを探して、接続します。アプリはデバイスとMIDIメッセージを送受信できます。
この機能にはAndroid JellyBean MR2(4.3 / API Level 18)以降が必要です。ペアリング機能を使うにはAndroid KitKat(4.4 / API Level 19)以降が必要です。

BLE MIDI Peripheral機能とは

AndroidアプリがBLE MIDIデバイスとして振舞います。アプリは他の端末上(Android, iOS, OS X)のCentralなアプリから接続して使用されます。


2015年1月21日水曜日

MIDI over Bluetooth LE library for Android

I've been developing the library to enable BLE MIDI feature on the Android devices from last year. The Apple Bluetooth Low Energy MIDI Specification(PDF) had revealed at December 2014. And finally, I implemented all of features on the specification.

Using this library, the app can connect with BLE MIDI devices, and BLE MIDI compatible iOS/Android/OS X apps. On the Android Lollipop, the app can act as BLE MIDI device.

Note:
This Apple's specification has not been approved by MIDI Manufacturers Association(MMA). I've asked about the specification to MMA at the past, but it was under discussion with MMA members.
The MMA's official release version's specification might be different from Apple's one.

The library's features

With this library, the Android can provide BLE MIDI Central / Peripheral features.

BLE MIDI Central feature

The Android app can host BLE MIDI devices. The app can receive MIDI messages from BLE MIDI devices, and send MIDI messages to them.
This feature requires Android KitKat(4.4 / API Level 19) or later.

BLE MIDI Peripheral feature

The Android app can pretend as BLE MIDI device. The application on the another machine(Android / iOS / OS X) can connect with the Android app.

2014年11月10日月曜日

BLE MIDIのAndroid向けライブラリを作っています

iOS 8での新機能、MIDI over Bluetooth LEの最初のデバイス「mi.1」がindiegogoにて発表されていたので、早速投資して3つポチりました。


その後、ブツが届いたのはいいのですがファームウェアが導入されておらず、実際に使えるようになるまでにしばらく掛かりました。
製品版ではファームウェア書き込み済の状態で出荷しないとユーザが混乱しそうです。

まだmi.1が届いていないうちから、Android 4.3にて追加されたBluetooth LEのAPIを使ってMIDIっぽい通信をするライブラリを書いていました。
Appleが仕様を作るとして、極力既存のMIDIと互換を持たせたシンプルな形に実装するだろう、おそらくBluetooth LEにレガシMIDIのデータをそのまま垂れ流す程度のものだろう、などと想像しつつ先行して実装していました。
mi.1のファームウェアを更新した後、受信したデータをログに出したりしつつプロトコルを調整して、受信までは動作確認できました。

というわけで、まだ道半ばですが現状報告な感じで。

2013年6月24日月曜日

ニューファミコンでプレゼンするためのツール集を作ってみた

「ファミコン用の自作ソフトを作って遊ぼう」の記事の続きです。社内の勉強会でプレゼンする機会があったので、ファミコンソフトを作って発表してみました。

参考:社内勉強会の発表資料
(Chrome推奨。枠内をクリックしてから、左右キーでページ送りします)

2013年5月7日火曜日

ファミコン用の自作ソフトを作って遊ぼう

昨年、初めてニューファミコンというゲーム機を入手したのですが、MSXで育ったせいか遊び方を知りません。本体やコントローラの改造ばかりして遊んでいたのですが、どうもこの遊び方は普通とは違うようです。

というわけで今回は、本体やコントローラじゃなくてカートリッジで遊んでみることにします。
通常は固定データであるカートリッジ内のEPROMを、何度も書き換えが可能なFlashROMで置き換えて自作ソフトを動かすことができる、いわゆるFlashROMカートリッジを作ってみました。

(FlashROMの書き込みについてあまりネットに情報がなさげなので、仕様のメモ代わりにもなっています。適当に読み飛ばしてください)。

FlashROMの入手

秋月にて安価に購入可能な、256kBのPLCC FlashROM(EN29F002T)を選びました。256kBもあれば大抵のものは動かせるでしょう。

PLCC→DIP変換基板はaitendoのものを入手しました。
このaitendoのPLCC→DIP変換基板なのですが、届いてみたら曲者で、ピンの並びが全然違いました。最近傍のピンに繋げているようで、PLCCの1番ピンがDIPの32番ピンに繋がっていたりします…。混乱するので、変換表を作りました(誰得データなので省略)。

2013年4月25日木曜日

Javaにおける例外とエラーの扱いについて


例外・エラーの種類

大まかに二種類

チェックされる例外と、されない例外・エラー
・チェックされる例外は、実装時にコンパイラがチェックするので、catchしていないとEclipse上で赤くなります///
・チェックされない例外・エラーは、コンパイラはチェックしません(文字通りですが...)。なので、catchを書く必要はありません。

分類表

typeチェックされる?意味
Exceptionされるシステムの設計の範囲内の異常なイベント
Errorされないシステムの設計の範囲外の異常なイベント
RuntimeExceptionされないバグ、プログラムの誤り

クラス階層

Throwable ← Error
  ↑
  └ Exception ← RuntimeException
こんな感じ。

チェックされない例外・エラーについて

チェックされない例外・エラー(RuntimeError/Error)は、メソッド定義の「throws」で明示的に示す必要がありません。
たとえthrowsで指定していたとしても呼び出し側でcatchする必要はありません。
つまり、 「チェックされない例外」はどのメソッド呼び出しからでも投げられる可能性があるし、どの種類の例外が投げられるかもわかりません。
メソッド側にthrowsがついていればそれを見てはじめてわかりますが、 それ以外が投げられる場合もある でしょう。

例外・エラーの使い方

上記を踏まえて...
一般的には、
・外部の環境によって生ずるもの:チェックされる例外
・正常なプログラムでは発生しないもの:チェックされない例外
という指針が使われるようです。

例外を投げる

例外をメソッドが上位で対応する必要がある場合(そのメソッドをふつうに使用するうえで、起こりうるエラーの状態)は、「チェックされる例外」を投げます。
チェックされる例外は、状況に応じて複数の種類を用意するとよいでしょう。
上位で対応する必要がない場合(インスタンスやクラスの初期化漏れ、範囲外の引数など、明らかに上位側の過失)は、「チェックされない例外」を投げます。

例外を受ける

「チェックされる例外」のみをcatchします。
外部ライブラリなどのメソッドで、「想定内のエラー処理」でも「チェックされない例外」が発生するときは、
その例外もcatchするか、「チェックする例外」で投げなおすようなラッパーを用意します。
「チェックされない例外・エラー」が発生している時点で異常な状況で、発生すると基本的に処理を続行出来ません。
RuntimeExceptionが出るならメソッド呼び出し側の実装を、Errorなら内容に応じてJVMの設定等を見直します。

禁則事項

複数種の例外・エラーを、ExceptionやThrowableで受けて一緒くたに処理する/もみ消すというのは、
何が起こっているか把握していないことに対応している、という意味で悪い書き方です。
なるべく避けて、個別の例外に対して処理を書きましょう。
例外を分岐・制御構造の代わりに使ってはいけません。ループを抜けたりとかifとして使うとかアリエナス

2013年4月22日月曜日

XubuntuでKiCadをビルドしてみた

XubuntuのSoftware Centerから入るKiCadが相当古かったので、KiCadをソースからビルドしてみたときのメモ。ちなみに64bit版のXubuntu 12.10 desktopです。

必要なパッケージのインストール

それぞれ、入ってなければ入れる感じで。パッケージ別に分けてますが、パッケージ名のところを列挙すれば一括でインストール出来ます。
  1. sudo apt-get install bzr
  2. sudo apt-get install cmake
  3. sudo apt-get install libglu1-mesa-dev freeglut3-dev mesa-common-dev
  4. sudo apt-get install libwxgtk2.8
  5. sudo apt-get install doxygen
  6. sudo apt-get install g++

KiCadのソースコード入手とコンパイル

太字の部分がターミナルで入力するコマンドです。4/21夜時点のコードでは、いくつかコンパイルエラーがあったので修正が必要でした。
  1. bzr branch lp:kicad/stable を実行すると、ソースコードをダウンロードします。
  2. cd stable を実行して、cmake . -DKICAD_STABLE_VERSION=ON とすると、ビルド設定を出力します。
  3. pcb_calculator/transline/transline.cpp の 「bool isinf(double)」というインライン関数を「int isinf(double)」に変更します。
  4. pcb_calculator/dialogs/pcb_calculator_frame_base.cpp の regul_3pins.xpmのある行を検索して、「#include "../bitmaps/regul_3pins.xpm"」と変更します。
  5. make して(スペックによりますが)2時間ほど待つとコンパイルが通っているはずです。(以降のコードの修正によって、ビルドが通らなくなっている可能性もありますが…。)
  6. sudo make install して、インストール完了です。
  7. 新しいターミナルを開いて kicad とやれば、起動します。